自己破産で財産はどう処分されるのか?

借金が膨れ上がり返済ができなくなったときの債務整理の方法のひとつに、自己破産があります。

全ての財産と債務を洗い出し、財産を換価(お金に換えること)して債権者に分配する手続きです。

その財産は実際、どのように換価されるのでしょうか。

裁判所に選任された破産管財人弁護士が、財産を換価していくことになります。

その手段は、現金や預貯金、不動産など財産の種類により違います。

ここでは自己破産で財産がどのように処分されるかについて、わかりやすく解説します。

一定の財産がある場合の自己破産手続き

自己破産手続きは原則として以下の手順で進みます。

  1. 財産、負債の調査
  2. 財産の換価
  3. お金に換えた財産を負債額に応じ配当
  4. 免責(支払い義務の免除)

3までの手続きは裁判所に選任された破産管財人弁護士が行いますが、手間もかかるため弁護士への報酬等の手続き費用が必要です。

手続き費用を支払う財産がある場合、上記の手続きをすすめます。

一方その手続き費用を支払う財産さえない場合、この手続きを省略して免責まで進みます(破産廃止といいます)。

実際の換価作業

破産管財人弁護士は破産手続き開始決定後、財産を順次お金に換えていきます。

そしてお金に換えられた財産を、最終的に配当して破産手続きは終了です。

なお、破産手続き開始決定前に債務者が財産を処分してお金に換えて、一部の債権者に弁済することは認められていません。

破産管財人弁護士がその財産処分に対し否認権という権利を行使して、財産処分自体を無かったことにすることが可能です。

現金

もっともわかりやすく、作業も簡単な財産です。

現金を、破産管財人弁護士が開設した口座に入金して終了です。

預貯金

管財人弁護士は債務者の持つすべての預金口座の残高を確認し、全て管財人弁護士が管理する口座に送金します。

不動産

不動産の場合は少し厄介です。

担保のついていない不動産で価値が見込める場合、売却を図ります。

担保がついていても、競売より高い値が付く任意売却をします。

この場合、担保権者から担保権を外してもらう必要があるので、担保権者の同意を取り付けます。

しかし明らかに住宅ローンなど担保されている債権額が不動産の価値より大きいときは、破産管財人弁護士が競売を待つメリットはありませんので、破産財団から放棄します。

動産やその他の財産

裁判所により若干取り扱いが異なりますが、概ね20万円以上の価値がある財産は処分されることになります。

具体的には自動車や貸付金、過払金や株式などの有価証券、生命保険の解約返戻金や退職金、売掛金や商品在庫等がこれに当たります。

美術品や骨とう品で価値が見込める場合に鑑定を行うこともありますが、鑑定費用も無視できませんので慎重に対応します。

換価しない財産

破産手続きの中で、お金に換えないで済む財産が定められています。

自由財産

先ほど20万円以上の価値がある財産は原則処分されると解説しましたが、すべて処分されるわけではありません。

自己破産を行うにあたり今後の再出発に必要な財産は「自由財産」としてお金に換えることなく手元に残すことが認められています。

以下の3つが認められています。

①99万円までの現金

裁判所により若干取り扱いに違いがあります。

②差押禁止財産

最低限の生活に必要な衣服、寝具、家具、台所用品などの家財道具や冷暖房器具、洗濯機、冷蔵庫、テレビなどの電化製品は、破産しても手元に置くことが可能です。

職業に応じた業務に欠かせない器具等(農業従事者の農機具や肥料等、漁業従事者の漁具等)も、換価せず所持が可能です。

給料や賃金などの債権、年金も引き続き受け取ることが可能です。

③新得財産

破産の手続きが始まった後に取得した財産(手続き開始決定後に得た給料等)は、配当しなくても構いません。

拡張された自由財産

裁判所は「破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して」自由財産を拡張することが可能です(破産法第34条第4項)。

一律な判断基準はなく、上記のような様々な事情を考慮して判断することになります。

この判断には高度に専門的な知識が必要ですので、弁護士などの専門家に相談するといいでしょう。

破産財団から放棄された財産

僻地の別荘用不動産や山林など処分性が見込めず換金できそうにない財産は、破産財団から切り離して破産手続きを進めます。

お金にならない財産を換価対象にしても、時間の無駄だからです。

まとめ

自己破産手続きにおいて一定以上の財産があるとき、管財事件と呼ばれ財産をお金に換えて配当を行います。

最低限換価せずに済む財産がありますが、高度な専門知識によってさらに換価せずに済む財産を増やすことが可能なケースがあります。

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