個人再生手続きの流れと再生後の注意点について

手元に不動産などの財産を残したまま大幅な債務のカットが可能な個人再生は、裁判所が関与する法的整理のひとつです。

手続きは法律で厳格に定められており、段階を踏んで進められます。

裁判所へ申立て、面接を経て開始決定がされ、債権調査をもとに再生計画が提出され、書面決議を経て再生計画が認可される流れとなっています。

ここでは個人再生手続きの流れと再生後の注意点を、わかりやすく解説します。

個人再生の手続きの流れ

個人再生の手続きは厳格で作成する文書も多岐にわたるため、弁護士に依頼することが一般的です。

1 弁護士への委任、裁判所への申立て

弁護士に面談して、再生申立て手続きの委任をします。

事前の債権者との協議や必要書類の準備、現状の確認などが必要ですので、裁判所へ申し立てるには委任決定後最低1カ月~2カ月はかかります。

2 個人再生委員との面接

東京地裁では必ず、その他の地裁では本人申立て時に個人再生委員(注)が選任されます。

申立て時に裁判所により選任され、申立てから1~2週間以内に申立人と面接を行います。

個人再生委員はその面接で今後の収入や資産・負債状況などを聴取し、個人再生を進めて大丈夫かをチェックします。

面接には申立人の弁護士も同席可能ですので、弁護士依頼時にはそれほど心配しなくて構いません。

(注)個人再生委員:裁判所が再生手続きの補助を行うために選任する委員のこと。

裁判所のある弁護士会の弁護士から選任されます。

手続き期間中に「分割予納金による履行テスト」を行い、再生計画で決められた金額を本当に申立人が支払えるかをチェックします。

また裁判所へ中立の立場から、個人再生手続開始決定時と再生計画認可決定時に意見書を提出します。

3 個人再生の開始決定

個人再生委員が選任されたときはその再生委員が出した意見書を参考にして、選任されなければその他書面で提出された状況をもとにして、問題なければ裁判所が個人再生の開始を決定します。

各債権者へ書面で通知されるほか、政府の機関紙である「官報」にその旨記載されます。

4 債権届出、異議申述

申立人は、申立て時に債権者一覧表を作成し裁判所に提出しています。

開始決定の通知には、債権者に対しその債権者一覧表に記載された債権額に異議があれば、決まった期間内に債権の額を届け出るよう記載されています。

その期間内に提出された債権届出書を申立人側が確認し、認否を行った一覧表を作成し債権者側に送付します。

異議がある場合異議申述書も送付します。

債権者は任意一覧表で記された認否、債務者からの異議申述書に異議があれば、裁判所に評価申立てを行います。

このやり取りを経て、債権額を確定させます。

5 再生計画提出・書面決議(小規模個人再生の場合)

債権額が確定すれば最終的な再生計画を申立人側が作成し、裁判所に提出します。

小規模個人再生の場合、この再生計画について債権者が書面決議を行います。

明確な反対の意思表示が過半数とならなければ(債権者数、または債権額において)、個人再生委員の意見書も参考にして、再生計画は認可されます。

給与所得者等再生では書面決議は行われず、次に進みます。

6 再生計画の認可決定・確定

再生計画の認可が決定されれば、数週間で官報に掲載されます。

その後2週間以内に債権者からの不服申し立てがなければ、認可決定は確定します。

7 再生計画に基づく弁済開始

認可決定の確定の翌月以降、再生計画に基づく弁済が開始します。

再生計画の弁済は毎月の支払のケースもありますが、多くは3カ月に1度となっています。

弁済計画は3年が一般的です。

弁済が問題なく終了すれば再生手続きは終了となり、債務のカットが確定します。

再生後の注意点

再生計画の弁済を怠ると、再生計画が取り消されます

再生計画に基づく支払は、原則遅れてはなりません。

事実上1回の遅れ程度では大きく問題にされないにしても、遅れが数回続くようであれば債権者が問題視することになるでしょう。

再生計画で定められた総債権額の10分の1以上の債権者は、再生計画の取消しを申し立てることが可能です。

その申立てを裁判所が認めると、個人再生は取り消され債権額のカットの効果はなくなります(それまでに行った弁済は有効です)。

再生計画の履行ができなくなった場合の対処

勤務先が倒産し無職となった場合、自分や親族が大きな病気にかかり一定期間治療費がかさんだりして再生計画の弁済が履行できなくなった時は、救済措置が利用できないか検討することになります。

救済措置には「再生計画の変更(延長)」と「ハードシップ免責」の2種類があります。

「再生計画の変更(延長)」は、再生計画時に想定できなかった理由で、自分ではコントロールできなかった事情があるときに認められます。

支払総額などの変更はできず、返済期間を最大2年延長することが認められます。

住宅ローンについては、条件の変更を別途住宅ローン債権者と話し合うことになります。

「ハードシップ免責」は、再生計画で定めた債務の4分の3以上を既に返済しているときに利用できる救済措置です。

債務者側に故意・過失がない場合、破産した場合より弁済額が多いケースで適用でき、残債が免責されます(支払わなくてもよくなります)。

この免責の効果は住宅ローンにも適用されますが、その場合住宅ローン債権者は担保権を行使することになるので(ローン物件を強制的に売却することになります)、住宅は手放すことになってしまいます。

このことにより実際はほとんど利用されていない救済措置です。

まとめ

個人再生の手続きは法律に定められた手順に従い、厳格に行われます。

再生計画認可後は計画通りに弁済することが原則ですが、やむを得ない場合救済措置が利用できることがあります。

当事務所は借金問題を数多く解決してきました。

個人再生の手続き経験も豊富で、再生計画認可後のフォローも万全です。

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