個人再生を利用できる条件と個人再生が向いている人

借金の返済が困難になってきた場合、債務整理をすると、借金の返済を免除または減額してもらったりすることができます。

債務整理の手続きは3つあり、自己破産個人再生任意整理です。

これら3つの手続きにはそれぞれメリットとデメリットがあり、手続きをする人の借金の状況や、収入、財産によってどの手続きをするのがよいかは異なります。

この記事では、「個人再生を利用できる条件と個人再生が向いている人」について解説していきます。

個人再生とは?

まずは個人再生がどのような手続きか見ていきましょう。

個人再生は、裁判所に申立てを行う法的整理です。

裁判所に再生計画が認められ、認可決定を受けると借金の金額を減額してもらうことができます

減額できる金額は、概ね5分の1から10分の1程度です。

原則3年(36回)で返済していく手続きで、計画通りに返済ができれば、残りの借金については支払義務がなくなります。

弁済しなければならない金額は負債額に応じて異なり、目安は以下のとおりです。

負債額 最低弁済基準
100万円未満 全額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 借金額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円以下 借金額の10分の1
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また、個人再生では「清算価値保障の原則」という原則があります。

清算価値保障とは、全財産を清算したときに得られる価値(自己破産手続きを行った場合に弁済される配当額)の限度においては、債権者の弁済を受ける利益を保護すべきというルールです。

そのため、不動産や自動車などの価値のある財産を持っている場合には、上記最低弁済基準額か、清算価値の総額の高い方を返済することになります

このあと説明します給与所得者等再生手続きを利用する場合には、

  • 最低弁済基準額
  • 清算価値の総額

に加え、2年分の可処分所得(収入から税金や生活費用として認められた費用を除いた金額)の額も含め、一番高い金額を返済することになります

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個人再生を利用する条件

①小規模個人再生の場合

小規模個人再生の方が、給与所得者等再生よりも返済額が少なくなるケースが多いため、一般的にはまず小規模個人再生を検討します。

小規模個人再生を利用する条件は

  • 将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあること
  • 借金の総額(住宅ローン以外)が5,000万円を超えないこと

です。

②給与所得者等再生の場合

小規模個人再生の方が、返済額が少なくなるケースが多いのは前述のとおりです。

ただし、小規模個人再生の場合、債権者の数あるいは債権額の過半数が反対すると手続きができません

そのため、債権者の過半数の反対が想定される場合は、小規模個人再生ではなく給与所得者等再生を検討することになります。

給与所得者等再生を利用する場合には、小規模個人再生を利用する条件2つに加え

  • 継続的収入の変動幅が小さいと見込まれること

が含まれます。

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個人再生が向いている人

債務整理は、個人再生のほかに任意整理自己破産があります。

任意整理は、債権者と債務者の交渉により合意した内容で返済をしていく手続きで、裁判所は関与しません。

そのため必要な書類等も多くなく、ほかの債務整理に比べると簡易的な手続きとなります。

しかし、ほとんどの場合で借金の金額の大幅なカットは見込めず、将来発生する利息をカットしてもらう程度となります。

それでは全額返済するのは難しいという場合には、個人再生か自己破産を検討することになります。

自己破産は、裁判所に申立てを行い、免責許可決定が出れば借金の返済を全額免除してもらうことができます(一部税金や養育費など免除されないものもあります)。

ただし、自宅や車、解約返戻金のある生命保険など一定額以上の価値がある財産は処分されてしまいます

以下のような人は、自己破産ではなく個人再生手続きの方が向いています

①価値のある資産を持っている人

自己破産の場合には、価値のある資産は処分されてしまいます

②借金の理由が免責不許可事由に該当する人

自己破産では、借金の理由が収入に見合わない浪費やギャンブル、換金行為など、免責不許可事由に該当すると自己破産をできない場合があります

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③資格制限のある職業に就いている人

自己破産の場合、破産手続開始から免責許可の確定まで、一部の職業に就くことができないなどの制限があります

弁護士・税理士・公認会計士などの士業や、生命保険募集人及び損害保険代理店、警備員などが代表的な例です。

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まとめ

個人再生は、債務整理の中でも最も手続きが複雑です。

また、実際にはどの手続きが一番自分に適しているのかを自分で判断するには難しいことが多いです。

借金の返済が困難になってきたら、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします

個別の事情については弁護士に相談するとよいでしょう。

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