個人再生をすると車は残せないのか?車を所有している場合とローン返済中の場合の扱いを解説

借金の返済が難しくなってきてしまったけど、車は手元に残したいという方もいらっしゃいます。

「自己破産をすると車は没収されると聞いたけど、個人再生はどうなるの?」

「個人再生をしても車を残す方法はないの?」

など、個人再生と車に関する疑問について、解説していきます。

個人再生をすると車はどうなる?

個人再生は、裁判所に申立てを行う法的手続きです。裁判所に再生計画が認められれば借金は概ね5分の1程度に減額されます。

自己破産のように手続きの中で車が没収されたり、財産が処分されることはありませんが、車のローンが残っているとローン債権者に車を引き揚げられてしまいます。以下、詳しく見ていきましょう。

①車のローンが残っている場合

個人再生では、債権者は平等に扱わなければならず、特定の債権者を手続きの対象から外すことはできません。車のローンが残っている場合には、車のローンも手続きの対象としなければなりません。

車のローンを返済中に個人再生をすると、車は債権者に引き揚げられて処分されてしまいます。これは、所有権留保といい、車のローンを支払い終えるまでは車の所有権は債権者になっていることがほとんどだからです。

一般的に、ローンを完済するまで車の所有権はローン債権者となっており、債務者がローンの支払いができなくなった場合には債権者が車を引き揚げ処分し、売却で得た金額をローンの返済に充てることになります。

②車のローンが残っていない場合

車のローンが残っていない場合、車が引き揚げられてしまうことはありません。

ローンを完済していても注意しなければならないこと

ただし、個人再生の場合、車のローンを完済していても気を付けなければならないことがあります。

個人再生で弁済しなければならない金額は負債額に応じて異なり、最低弁済基準額は以下のとおりです。

負債額 最低弁済基準
100万円未満 全額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 借金額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円以下 借金額の10分の1

しかし、もし車の価値を含めた財産の金額が、借金の総額から定められている上記最低弁済基準額を上回る場合には、清算価値の額を返済しなければなりません。

これは、個人再生には「清算価値保障の原則」という原則があるためです。

清算価値保障とは、全財産を清算したときに得られる価値(自己破産手続きを行った場合に弁済される配当額)は、最低限債権者に弁済しなければならないというものです。

車のローンを完済していれば、車を没収されることはありませんが、車の価値やその他財産の金額によっては、最低弁済基準額以上の返済をしなければならない可能性があります。

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車のローン返済中だけどどうしても車を手放せない場合

車のローンはまだ残っていて、返済中に個人再生をしたいが、どうしても車は手放せないという場合はどうしたらよいのでしょうか?

①車のローン会社と交渉する(別除権協定)

個人の運送業者など、車がなければ事業が継続できないなどの事情がある場合、債権者と交渉をして、合意が得られれば車を手元の残せる可能性があります。

この合意について、裁判所の許可が得られれば車を手元に残せますが、例外的な措置であり、認められるケースは限定的です。

②親族など第三者に全額返済してもらう

親族など第三者に支払ってもらう方法です。ローンを完済していれば、車を没収されることはなくなります。

ただし、個人再生の手続きにおいて、債務者が特定の債権者にのみ返済をすることは偏頗弁済(へんぱべんさい)といい許されません。

そのため、必ず本人ではなく、親族など第三者が返済しなければなりません。

また、家計が同一の配偶者などが返済した場合には、本人が返済したのと同様と扱われてしまう可能性もありますので、詳細については個人再生を依頼する弁護士に相談することをおすすめします。

③任意整理を検討する

任意整理は、債務者と債権者の交渉により合意した内容によって返済をしていく手続きで、裁判所は関与しません。

そのため、手続きの対象とする債権者は自分で選ぶことができます。車のローンを手続きの対象から外し、その他の債権者と任意整理をすることで、車のローンは問題なく返済を続けることができるような場合には、任意整理を検討するとよいかもしれません。

ただし、任意整理では個人再生のように大幅に借金が減額されるわけではありません。

そのため、借金の総額や収入の状況などから、任意整理では借金問題を解決できない場合もあります。

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まとめ

車をどうしても残したいからと、自分の判断で車のローンだけ返済してしまったり、車の名義を変えてしまうと、その後の手続きに大きな影響を与えます。

最悪の場合には、個人再生手続きが失敗に終わってしまう可能性もあります。

個人再生の手続きは大変複雑です。借金の返済に困ったらなるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。個別の事情については弁護士にご相談するとよいでしょう。

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