住宅ローンの巻き戻しとは?個人再生をしながら自宅を残せるって本当?

住宅ローンの巻き戻しは、住宅資金特別条項で定められているものです。

住宅ローンの巻き戻しを行うことで、自宅を残しながら個人再生をすることが可能になります。

今回は、そんな住宅ローンの巻き戻しがどのようなものか、どのような要件を満たせばよいのか、注意しなければいけない点はあるのかといった疑問に答えていきましょう。

住宅ローンの巻き戻しとは?

まずは、住宅ローンの巻き戻しがいったいどのようなものなのか、解説していきましょう。

住宅ローンの巻き戻しは、個人再生を行う際に住宅ローンを除いた債務を整理するということです。

住宅ローンが残った状態で全ての債務を整理してしまうと、自宅を処分しなければいけません。それでは暮らす場所がなくなってしまうので困った事態に陥ります。

そうなってしまうことを防ぐために、住宅資金特別条項という制度が設けられているのです。

住宅資金特別条項の対象になる住宅資金貸付債権は、民事再生法198条1項で「民法500条の規定によって住宅資金貸付債権を有している者に代位した再生債権者が当該代位を有するものを除く」と定められています。

これが当てはまる典型的な事例には、住宅ローンを滞納して、保証会社が代位弁済したケースがあります。

保証会社が代位弁済を行った場合、住宅ローンの債権はローン会社から保証会社にうつり、保証会社が債務者に対して住宅ローンの請求を行うのです。

しかし、保証会社に債権がうつってしまうと、原則として住宅資金特別条項を利用できなくなってしまいます。

それでは債務者の生活を再建することが難しくなってしまうため、保証会社が代位弁済したとしても、代位弁済した日から6ヶ月以内に再生手続きが申し立てられると住宅資金特別条項を利用できるようになっています。

これは、民事再生法198条2項に記されていて、巻き戻しと呼ばれているのです。

巻き戻しをするための要件

巻き戻しをするためにはいくつかの要件をクリアする必要があります。

では、どのような要件があるのかみていきましょう。

  • 住宅に関するローンに関すること
    住宅資金特別条項は、住宅の建設や購入のためのローン、リフォームローンが対象になります。その他のローンは適用されないので要注意です。
  • 住宅資金特別条項を使うことができる住宅であること
    住宅資金特別条項を使うことができるのは、本人が居住用として使用している住宅1棟だけとなっています。会社のビルや不動産投資用のマンションなどのローンがある場合は対象になりません。
  • 代位弁済の日から6カ月以内に再生手続を申し立てたこと
  • 住宅に他の債務を担保する抵当権がついていないこと
    住宅に他の債務を担保する抵当権がついている場合は、住宅資金特別条項を使うことができません。

消費者金融は不動産を担保にとり、一定額まで何度でも融資を行えるようにしているため、毎回抵当権の設定をする必要がなくなります。これは、根抵当権と呼ばれるものです。

住宅資金特別条項は、住宅資金貸付債権(住宅の建設・購入に必要な資金または住宅の改良に必要な資金の貸付にかかる分割払いの定めのある債権)が対象となりますので、根抵当権で担保されている債権については、住宅資金特別条項を使えない可能性が高いです。

アンダーローンの場合は注意が必要

住宅資金特別条項を利用する場合、アンダーローンに注意しなければいけません。

アンダーローンは、住宅ローンの残債よりも住宅の時価評価額が高くなる状態です。

アンダーローンであっても住宅資金特別条項を使うことはできますが、評価額によっては住宅資金特別条項のメリットを感じられなくなってしまうのです。

例えば、残債が1,200万円ある住宅の時価評価額が1,600万円となった場合、差額の400万円は資産とみなされます。この場合、400万円以上返済をしなければいけないことになります。

借金が400万円あってアンダーローンではない状態で、他に資産がない場合の最低弁済額は100万円です。そのため、アンダーローンの資産がある場合はそれを全て返済に充てることになります。それでは個人再生をする意味もなくなってしまうでしょう。

個人再生が難しいのであれば、任意整理を選ぶことになりますが、住宅資金特別条項を使わないならば自己破産のメリットが大きくなる可能性も高いです。

なぜかというと自己破産をすると借金が全て免除になります。

まとめ

住宅ローンの巻戻しは、自宅を残しながら個人再生ができる方法です。それぞれの状況によって使えない場合もありますが、要件を満たしていれば基本的には問題ありません。

しかし、知識がないと利用することは難しい制度なので、利用を考えているのであれば弁護士へ相談するようにしましょう。

専門的な知識を持つ弁護士に相談すれば、それぞれの状況に応じて適切なアドバイスをしてもらえます。

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